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スーパーボウルに見るスポーツ実況への考察(長澤)

アメリカンフットボールの頂上決戦にして世界最大級のスポーツイベントの一つ、スーパーボウルが今シーズンも大熱狂のうちに幕を閉じました。
私は2020年から3年連続でDAZNの日本語実況を担当させて頂いております。

もともとこの業界に入ってくる際に立てた大きな目標の一つが「スーパーボウルを実況すること」。
それを毎年任せて頂けるというのは無上の喜びであり、支持して頂いた視聴者の方々や関係者各位には感謝してもしきれません。本当にありがとうございます。

さて、ここで改めてアメフトの魅力を考察。
アメリカ4大スポーツの中で最も高い人気があり、最高峰のフィジカルエリートたちが人間離れしたプレーを連発させるエキサイティングな競技。
しかしそれと相反するように極めて緻密で高度な頭脳戦が展開される舞台でもあります。

今回のスーパーボウルでいうと…
・ラン攻撃が得意なイーグルスに対してラン守備が得意な選手を配置したチーフス
→その裏をかきランに見せかけたパスで大きく前進
・試合時間残り僅か、同点の場面でチーフスの得点チャンス
→すぐ得点してしまうと相手に攻撃権を渡してしまうのであえて手前で止まって時間を使う
などなど。

ほんの一例ですが1プレーの間にさまざまな思惑が張り巡らされ、相手の先の先を行くことが求められるスポーツ。
将棋のような先読みが勝利への近道であり、見る側にとっての大きな醍醐味でもあります。
これはすなわち実況者にも高いフットボールIQが求められることともイコールです。

1プレー1プレー止まるからこそ「今の意図は何だったのか」を把握する必要があり、選手交代が自由だからこそ「次のプレーはこうじゃないか」という予測を立てる。
そうすると解説者との会話が何倍にも膨らみ、視聴者にもより分かりやすく伝わるのではないかと思います。

アメフトに限らず全てのスポーツ実況に当てはまることですが、私自身もまだプレーの描写や選手名の羅列だけに意識を持っていかれがちです。
通常なら見逃されがちな部分にもスポットを当て、さまざまな側面から競技の魅力をお伝えする。
先読みの大事なアメフト実況を通じて、改めてその思いを強くした次第です。

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長澤洋明アナウンサー