11月23日に開催された「第104回全国高等学校ラグビーフットボール大会 長崎県予選 決勝 長崎北陽台対長崎南山」のダイジェスト版の実況を担当しました。
ダイジェスト版とはいえ、J SPORTSのラグビー中継で初めて実況を担当できたことを非常に嬉しく思います。
長崎北陽台は県内有数の進学校にしてラグビー強豪校。
花園では1994年度の第74回大会で準優勝という成績を収めています。
花園出場回数、勝利数ともに県勢最多を誇る「公立の雄」。
青いジャージ、イコール長崎北陽台というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
一方の長崎南山は昨年の花園出場校。
昨年の1回戦で勝利し、実に6大会ぶりに花園での勝利をマークしました。
その花園を経験した選手も数多く残っています。
この両チームによる決勝戦は2年連続16度目。
昨年は26-26の引き分けで両校優勝となり、抽選の結果、長崎南山が花園へ出場しました。
長崎北陽台は昨年の悔しさを晴らすべく、長崎南山は2年連続の花園へ向けてあくまでチャレンジャーとして挑む一戦です。
試合の前半はお互いにトライを取り合う展開となりましたが、徐々に長崎北陽台がペースをつかむと、後半は長崎南山に得点を許すことなくリードを広げ57-12で長崎北陽台が見事勝利、
2年ぶり22度目の花園出場を決めました(昨年は両校優勝なので優勝という意味では7大会連続23度目の長崎県優勝)。
長崎北陽台は9トライ、57得点を奪った攻撃面ももちろんですが、ディフェンス面が素晴らしいと感じました。
出足が早く、低く刺さるタックルで長崎南山のアタックを止め、ゲインラインを切らせません。
そしてブレークダウンの攻防では幾度となくターンオーバーを誘発し、そこからのアタックをことごとく得点につなげていきました。
昨年は花園に出場できなかったこともあり非常に意識が高く、全国制覇を目指すと打ち出してスタートしたチームです。
また、現在の3年生は中学生時代に長崎県代表として全国ジュニア大会に出場した経験のある逸材が揃った世代でもあります。
今年のチームはついに県内の公式戦は無敗で最後の全国の大舞台へ挑むことになりました。すごく楽しみです。
敗れた長崎南山も随所に良いプレーが出ていました。
立ち上がりすぐに先制を許しましたが、直後にトライを取り返したところなどは6月の県高総体で完敗した時からの成長を感じさせました。
そのトライシーンでは注目選手のPR本山佳龍選手がまさにフィジカルで取り切る強さを発揮しました。
本山選手は小学生時代、相撲の九州チャンピオンに輝いたこともあり、相撲の強豪校からも誘いがくるほどの存在。
それがよく分かる体躯の強さ、身体能力の高さでした。
現在は高校日本代表候補にも選ばれ、高校卒業後はリーグワンに挑戦するとのこと。
近い将来、日本代表の中心を担う選手になると思います。
高校野球の地方大会を担当した時も感じましたが、こうやって予選の実況を担当すると、担当した代表校のことは勝手に親近感を持ってしまいます。
今回は縁あって長崎県予選を担当し、長崎北陽台が花園の出場権を獲得した瞬間を見ることができました。
今年の花園では長崎北陽台の躍進に期待しながら、楽しみにしたいと思います。
解説をご一緒したのはラグビーマガジン編集長の直江光信さんでした。
至らない点も多々あったと思いますし、もっと話を引き出せたところもあったと思うのですが、実況初キャップの自分を優しくサポートしていただいたようで非常に頼もしかったです。
それにしてもダイジェスト版は試合を30分にギュギュっと凝縮したものなので、一瞬で終わってしまいますね。本当にあっという間でした。
引き続き機会をいただけるように精進します。ありがとうございました!