連日熱戦が続いている第104回全国高等学校ラグビーフットボール大会、通称「花園」。
私は実況の担当はありませんが、12月30日に現地取材として会場に行ってきました。
ラグビーはジャイアントキリング、いわゆる番狂わせが起きにくいスポーツと言われています。
実力差がそのまま点差に反映されやすいと言い換えることも出来るでしょうか。
私が行った2回戦はシード校が登場する、つまり実力のあるチームが登場するということで、例年は点差が付く試合も多いと聞きます。
ところが、今大会はシード校が敗れる波乱、またシード校を最後の最後まで苦しめるチームも多く、一瞬たりとも目が離せない興奮の試合ばかりでした。
特に9大会ぶり出場の京都工学院が、Bシードで前回大会ベスト8の中部大春日丘に勝利した試合は、前半終了時点で0対0の熱い試合。
後半は1プレーごとに超満員のスタンドから大歓声が飛び交う白熱の展開で、トライを取った瞬間の地鳴りのような歓声は震えるほどにしびれました。
放送席にお邪魔して見学させていただいた試合もありました。
その中で印象に残っているのが東海大大阪仰星対佐賀工業の試合。
シード校の東海大大阪仰星に対してキックを多用する戦術の佐賀工業。
そのキックの使い方、コントロールも絶妙で、東海大大阪仰星は苦しめられました。
この試合の解説は後藤翔太さんと、ゲスト解説で岸岡智樹選手がいらっしゃったのですが、佐賀工業のキック戦術に対する話が非常に興味深かったです。
佐賀工業とすればキックでエリアを取って、相手がタッチに逃れた際のラインアウトでの再開はOKで、ラインアウトに関しては自信を持っているし相手を相当研究してきている。
ラインアウトでスチールもあるし、相手のペナルティーになれば敵陣からマイボールでアタックできる。
だからどんどんキックを使っていけるというような話はとても面白かったです。
後藤さんも岸岡選手もハーフバックスというゲームをコントロールするポジションでプレーされますが、そのお2人が感心するほどのキック技術、戦術でしたから、相当レベルが高いということです。
その部分に着目して試合を見るとより面白いと思いますし、私も何度も見て勉強しようと思います。
現場見学させていただく中では、このように実況、解説の話を聞いて勉強になることも多いですが、スタッフ陣がどのような思いで中継しているのかの声を聞くことも楽しいです。
オンエア中はインカムを付けてディレクターの声を聞いていたのですが、実況や解説を聞いてどのシーンのリプレイを流せばいいか、どの映像を撮ればいいかを瞬時に判断します。
ここがバチっとはまると良い中継になると個人的に思います。
実況中はディレクターと直接コミュニケーションを取ることは出来ませんが、ここの無言のコミュニケーションが大切だと思っています。
そういう意味ではディレクターがどういうことを考えて中継しているのかという生の声を聞くことも非常に勉強になりますし、現場見学の際に楽しみにしている一つでもあったりします。
また、今回は長崎県予選のダイジェスト版の実況を担当したこともあり、長崎県代表の長崎北陽台の試合は是非とも生で見てみたいと思っていました。
この日の2回戦では春の選抜大会優勝の大阪桐蔭に敗れましたが、後半に取った2つのトライはチーム全員でつないで取り切ったトライでしたし、個人的に熱くなったシーンの一つでした。
勉強になることも多く、非常に実になることがたくさんあった濃い一日でした。
ラグビーに関しては、リーグワンディビジョン3の試合を中心に弊社YouTubeチャンネル、stand.fmチャンネルにて実況練習をしています。
今回勉強したことをまずはこの場所で生かしていけるように精進したいと思います。