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ジュニア選手たちの熱い戦い(北野)

年末の恒例行事となったNPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2024。
今回は大会初日から決勝戦まで4日間、計6試合の実況を担当しました。

2005年から始まったジュニアトーナメントも今回が第20回記念大会。
今回は通常のNPB12球団に加えて、招待チームとしてNPBファーム公式戦に参戦しているオイシックス新潟、くふうハヤテ、独立リーグから四国アイランドリーグ、BCリーグの4チームがジュニアチームを結成して大会初参戦。
合計16チームで日本一を争いました。

第20回記念大会を制したのは福岡ソフトバンクホークスジュニアでした。
4試合でわずか計5失点と、非常に高いレベルの投手陣とチームの強みでもある守備力の高さを生かした守り勝つ野球で2009年以来、15年ぶり2度目のジュニアトーナメント優勝を果たしました。

ホークスジュニアを率いる帆足和幸監督は事前の監督記者会見で「チームの特徴は守備からリズムを作るチームだが、打線は少し弱いのでしっかり守備からリズムを作って1点でも奪えたら」と話されていました。
その守備力が存分に発揮された優勝ではありますが、攻撃陣も非常に魅力的でした。
各バッターがファーストストライクからしっかりスイングできる積極性、ここぞという場面での勝負強さ、選考段階でも重視したという走塁力の高さが随所で光っていたなと思います。

今回は巡り合わせでホークスジュニアの4試合すべての実況を担当しました。
一番しびれたのは準決勝のカープジュニアとの試合。
初回に両チーム1点ずつを取り合うも2回以降は両投手陣が踏ん張り、ロースコアのまま試合は終盤に入っていきます。
1対1のまま迎えた5回裏、ホークスジュニアは1アウト一塁二塁のチャンスを作ります。
ジュニアトーナメントは6イニング制なので、通常の9イニング制でいうと8回裏に置き換えられると思います。
この場面でカープジュニアはピッチャー交代、今大会では打線でも中軸を担い打線を引っ張ってきた丸目投手がマウンドに上がります。
丸目投手は最初のバッターを三振に抑えて2アウトを取るも、続くバッターが放った打球は左中間方向へ。
放送席から見ていても打った瞬間に抜けたと思う打球でしたが、ここでセンターの中田選手がダイビングキャッチ。
超スーパープレーでカープジュニアがピンチを脱します。

6回も両チーム無得点で試合は延長戦へ。
延長戦はノーアウト一塁二塁のタイブレーク制でしたが、なんとこれも両チームが踏ん張り、7回、8回と無得点。
特に8回裏はホークスジュニアがノーアウト満塁のチャンスを迎えましたが、これも先ほどと同じく丸目投手が踏ん張りました。

大会規定により、8回終了時点で決着がつかない場合は試合終了時点で出場している両チームの9選手ずつによる抽選で勝ち上がりチームを決めます。
結果は、その後優勝することになるホークスジュニアが勝ち上がるわけですが、カープジュニアも負けずして大会を去るという、非常に強いインパクトと印象を残すチームだったと思います。
私もいつまでもこの勝負を見ていたい、この瞬間を実況していたいと強く感じました。
2024年も様々な競技の様々な試合を実況しましたが、その中でもトップクラスにしびれる好ゲームでした。
大会の存在は知っていても、試合そのものは見たことがないという方もいらっしゃるかもしれません。
試合の模様は、J SPORTSオンデマンドで見逃し配信、また年明けにテレビでも放送があります。
是非、ジュニア選手たちの熱い戦いを一人でも多くの方に見てほしいなと思います。

中継内でも使用する選手アンケートでは、今回は例年以上に「将来の夢、メジャーリーガー」と答える選手が多かったように思います。
大谷翔平選手をはじめ、連日伝えられる日本人選手の活躍もありメジャーリーグを見る機会も増えたからでしょうか。
ちなみに「好きなプロ野球選手は?」という質問に対しては、やはり大谷翔平選手を挙げる選手は多いなと思いましたが、次いで多かったのがタティスJr.選手でした。
各チーム1人はいたような印象です。
ホークスジュニアキャプテンの山﨑選手もタティスJr.選手を挙げていました。
山﨑選手のショートでのダイナミックな守備は、確かにメジャーリーガーを彷彿とさせるようなプレーだったと思います。

これまでNPBドラフト指名選手は育成枠も含めて94人と、数多くのプロ野球選手を輩出しているジュニアトーナメント。
メジャーリーガーは松井裕樹投手(ベイスターズジュニア出身)の1人だけですが、今後はプロ野球選手だけでなく、メジャーリーガーも増えてくるかもしれません。
私自身も将来「あ、あの時の!」と思う瞬間を楽しみにしたいと思います。

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北野文啓アナウンサー