~感動のスポーツシーンをあなたに~アナウンスレッスン開講中!
Sports Zone 株式会社
東京・大阪・沖縄:070-8419-2827
月~金:10:00 AM - 7:00 PM

U12野球ワールドカップ(北野)

7月末から8月にかけて、第8回WBSC U-12野球ワールドカップ2025が開催されました。
試合の模様はJ SPORTSで放送され、私はオープニングラウンド1試合、スーパーラウンド1試合、決勝戦の計3試合の実況を担当しました。

WBCも、オリンピックも、プレミア12も、ここ最近の主要国際大会では優勝に輝いてきた侍ジャパン。
世代別のワールドカップでもU23、U18、U15と優勝経験があり、女子に関しては7連覇中と向かうところ敵なしの状態。
そんな中、実はこのU12に関してはまだ優勝の経験がありません。
過去最高は2019年、第5回大会の準優勝。大会史上初の優勝を目指す戦いとなります。

全国から選び抜かれた中学1年生と小学6年生で結成された精鋭18選手。
率いるのは慶應義塾大学、社会人野球ENEOSの監督として優勝を何度も経験された大久保秀昭監督。
大会中には「今回は優勝のチャンスはあると思っています」と話すなど、初優勝に向けて期待十分の陣容です。

初戦から順調な滑り出しを見せた侍ジャパンは、投打ともに好調で白星を重ねていきます。
ピッチャーでは背番号1の橋本翔太朗選手がオープニングラウンドのキューバ戦、スーパーラウンドの韓国戦に先発し、2試合連続完封勝利。
特に韓国戦は6回1アウトまで1本のヒットも許さない圧巻の投球を披露します(ちなみにU12は6イニング制なのであとアウト2つでノーヒットノーランでした)。
韓国戦は実況を担当しましたが、真っ直ぐのスピードもさることながら、コントロールが非常に素晴らしく感じました。
キャッチャーがインコースのここ!と構えたところにドンピシャのコントロール。
ピッチャーとしての総合力が高く、解説のギャオス内藤さんも絶賛でした。

打者ではキャプテンも務めた外山泰基選手が印象に残りました。
主に1番打者としてチーム最多の2本塁打、7打点でチームを引っ張りました。
スイッチヒッターなのですが、彼の特徴の一つとして「相手投手の右左に関係なく打席に入る」ことが挙げられます。
通常、右投手ならば左打席、左投手ならば右打席に入ると思いますが、右投手相手に右打席、左投手相手に左打席に入ることもしばしば。
打席中に左打席から右打席に移るシーンもありました。
ちなみに私はこの姿を見て、去年末のNPB12球団ジュニアトーナメントにホークスジュニアの一員として出場していたことを思い出しました。
その時も相手の右左に関わらず打席に入っていたんですよね。
どういう思いで右打席、左打席を選んでいるのかは是非、聞いてみたいところです。

スーパーラウンド第3戦のアメリカ戦には敗れたものの、他チームの結果により決勝進出を果たした侍ジャパン。
相手は2日連続のアメリカ。現在大会2連覇中、通算5度の優勝を誇る相手です。

こちらはこの後J SPORTSで初回放送がありますので(初回放送は8月6日(水)午後9時から、これを書いているのはその前日です)、是非そちらも見ていただきたいところではありますが…。

結果はもう出ているので言ってしまいますが、残念ながら侍ジャパンは敗れ、大会初優勝には惜しくも届きませんでした。
アメリカは見事大会3連覇、通算6度目の優勝を飾りました。おめでとうございます。

大久保監督の言葉を借りると、アメリカは個人の力はもちろんのこと、チームとしての組織力を強く感じるチームでした。
野手では力強くパワフルなスイングを各バッターが繰り出しながらも、相手の隙を突くバントや盗塁を試みるなど、日本のお株を奪うようなスモールベースボールも見せていきます。
投手陣はストレートの威力に加えて、打者の内外を突いていく変化球も素晴らしい。
例えば決勝戦で先発したスプレイ投手は右打者のインコースにツーシーム気味の食い込んでいくボール、外へはスライダーやカーブといった曲がり球で手玉に取っていきます。
解説の前田幸長さんからは「投げっぷりがフランシスコ・ロドリゲス投手みたい」と、K・ロッドの愛称で親しまれたかつての名クローザーの名前が出てくるほど。投打ともにアメリカが終始主導権を握るような展開となりました。

侍ジャパンU12は準優勝となりました。
冒頭でも書いた通り、このU12だけ優勝がないというのはなんだか不思議な感じがします。
それでも、選手たちの野球人生はまだまだ続いていきますし、今後へのエール、みたいなことは解説の前田さんが番組の最後にまとめて話してくれているので、是非そちらも含めてご覧いただければと思います。

今回は計3試合、内藤さん、前田さんに加えて、江尻慎太郎さんとも解説を組ませていただきました。
江尻さんはU12投手コーチを務めた経験があり、内藤さんはジュニアトーナメントに第1回大会から監督、解説者として携わっており、前田さんは小中学生の少年野球チームで指導もされています。
それぞれにジュニア世代との関わりがあり、そこで出てくる話はどれも面白く、自分自身も勉強になりました。
特に江尻さんが投手コーチをされていた時の話は非常に興味深かったです。
野球のコーチでありながらも親のような一面も持ち合わせているというのはなかなか大変だろうなと思います。

次回大会はまた2年後、2027年。
次回こそ侍ジャパンが大会初優勝を飾り、是非その優勝実況を担当してみたいものですね…!

コラムトップへ
北野文啓アナウンサー