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アメリカ紀行(北野)

アメリカへ行ってきました!

普段、MLB中継のスコアラーをやったり、たまに実況もさせてもらいますが、ふと「現地でMLBを観たことが無いなぁ」と思ったりします。
諸先輩方の実況を聞いていると、この球場はどんな特徴があってどんな雰囲気なのか、どんな場所にあって球場周辺には何があるのか、といった話を織り交ぜることがあります。
その度に、自分は行ったことが無いからこの手の話は出来ないなと感じます。
いまはすぐにネットにアクセスできて、それなりの情報は得られる時代になりましたが、やはり自分の目で見たもの、経験したことの情報とは違います。
この世界に入ってずっとMLB中継の現場にはお世話になっていますが、それなのに一度も現地で観たことが無いのはどうなんだろう…と思うようになってきました。

そこに加えて、昨シーズンはNFLの実況も担当させてもらいました。
全くのアメフト素人から入りましたが、アメフトという競技が好きになりましたし、NFLの盛り上がりもたくさん感じることが出来ました。
NFLも生で観てみたい…。
自分の中で、アメリカに行く2つの理由が出来ました。

2年前に仕事で台湾へ行く機会があり、パスポートは取得済み。
何かあればと思って有効期限を10年にしましたが、これはもう思った時に動かないと何かしら理由をつけてずっと行かないだろうと思いました。
円安、物価高とお財布的には厳しいですが、一旦予算のことからは目を逸らして、思い切ってアメリカに行こう!と思い立ちました(なお、予算のことからはいまだに目を逸らし続けている模様)。

今回は日本人選手が所属している球団…ドジャース、パドレス、エンジェルスの3球団を巡ることに。
間にロサンゼルスに本拠地を構えるチャージャーズのSoFiスタジアムでNFLを観戦するという日程です。

初海外一人旅、英語もほとんど喋れないし分からないという、いま思えばよくこれで行こうと思ったなと自分でも思うくらいのスペックですし、正直最初の1、2日は分からないことが多すぎるし一人で心細いし、ずっと日本に帰りたいとすら思っていましたが、結果めちゃくちゃ楽しかったですし、行って良かったと心から思います。

アメリカは場所によっては治安の悪いところもあり、今回自分の身に分かりやすく危機が訪れることはありませんでしたが、そういう意味ではしんどいと感じることもありました。
でもそういうこともひっくるめて、目に映る景色、触れる文化が本当に新鮮に感じましたし、大変な刺激を受けました。

その意味では、自分は普段の生活でワクワクすることが減ってきているのかもしれないなとも思いました。
なんとなく道を歩き、なんとなく電車に乗り、なんとなく目的を果たす。
ただ日々の予定をこなしているだけになってしまっていたと思います。
どんな場所へ行くときも、最初に行くときはワクワク感もあるでしょうが、それを2回、3回…10回、20回と繰り返していくうちに、最初の頃に抱いた感動はだんだん薄れていきます。
つまらない人間になってしまったなと思いました。
そんなカラカラに乾いてしまった感受性の器に、水がドバドバと入ってくるような、また潤いを取り戻せるような機会になりました。

スタジアムが見えてきたときのワクワク感、ゲートを通り階段を上がると見えてくる緑の芝が目に入ったときの高揚感。
幼い頃に初めてスタジアムへ行ったときの感動を思い出すような瞬間でした。

ドジャースタジアムでは、訪問初日が今季限りで引退を表明したレジェンド左腕・カーショー投手の本拠地最終登板日という僥倖にも恵まれました。
スタジアム全体がカーショー投手のこれまでの功績を称え、拍手を送り、最後の勇姿を目に焼き付けるという光景は、何物にも代えがたい記憶となって残りました。
特にカーショー投手が降板し、ベンチに帰っていくときに起こった球場中のスタンディングオベーションは、涙が出るくらい心震わされました。

サンディエゴの街並みは非常に美しく、どこを切り取っても絵になります。
そんなサンディエゴのダウンタウンにあるのがペトコパーク。
綺麗な景色に溶け込みながらも、一歩足を踏み入れると熱狂が広がるという非日常的な体験。
ペトコパークは本当に美しい球場でした。
ここでもパドレスがポストシーズン進出をサヨナラ勝利で決めるという瞬間に出会うことが出来ました。
また、ダルビッシュ有投手のブルペン投球を間近で見る機会もありました。

エンジェルスタジアムでは菊池雄星投手のレギュラーシーズン最終登板試合。
6回表が始まる前の投球練習中に左腕のけいれんのため降板となりましたが、5回1失点でシーズン7勝目。
試合後には囲み取材にも行きましたが、シーズン33先発、投球回数も自己最多と年間を通してローテーションを守ったことに一定の評価は与えつつも、良くも悪くも変わらない成績が続いていると自己分析。
しっかり課題を洗い出して来シーズンを迎えたいと話していましたし、若い選手が多いチームの中にあって嫌われ役も買って出たいとも話していました。

SoFiスタジアムはとにかく大きい!
目の前にスタジアムが見えてきたときの興奮度合いでいうと今回で一番だったような気がします。
広く全体が見渡せるスタジアムに、フィールド上部には超巨大ビジョンも。
すごすぎてずっとニヤニヤしている変なジャパニーズだと思われたかもしれません。
試合もチャージャーズが勝ち越しFGを決めたと同時に試合終了という何とも劇的な幕切れでスタジアムは大盛り上がり。
改めてNFLの面白さを全身で感じました。

繰り返しになりますが、普段ではなかなかない貴重な体験がたくさんできたアメリカ訪問となりました。
MLBに関しては取材パスも出していただき、本当に間近で取材することも出来ました。
この場を借りて、改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

あくまでも今回の旅は、今後の仕事に活かすためのもの。
アメリカで見て、聞いて、触れたことを今後の仕事で還元できればと思います。

またアメリカに行けるようにもっと仕事を頑張ろうとも思いました。
なかなか簡単に行ける場所ではないですが、また絶対に行きます!

一応、来シーズンのスケジュールもチェック済みです!

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北野文啓アナウンサー