リーグワンが開幕し、大学選手権も3回戦が行われ、もういくつ寝ると花園も開幕するという、ラグビー好きにとっては大忙しな12月になりました。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
さて、リーグワン開幕節、大学選手権3回戦と時を同じくして、12月13日、14日と大学ラグビーもう一つの熱い戦いが繰り広げられていました。
13日は関東大学リーグ戦1部2部入替戦と関西大学リーグABリーグ入替戦、14日は関東大学対抗戦ABグループ入替戦。
このうち私は関西大学リーグの摂南大学対龍谷大学、立命館大学対大阪体育大学、関東大学対抗戦の青山学院大学対明治学院大学の3試合を実況担当しました。
摂南大学対龍谷大学。
2007年、当時Aリーグの龍谷大学とBリーグの摂南大学が入替戦で激突し、勝利した摂南大学がAリーグ昇格。
Bリーグに降格した龍谷大学は以降毎年のように入替戦に進むもなかなかAリーグ昇格は叶いません。
龍谷大学が入替戦に進むのは今回が13度目。
摂南大学とは3年連続、通算7度目の対戦と、まさに因縁の相手と言っても過言ではありません。
ここ2年は摂南大学が大差で勝利しましたが、龍谷大学も今年は筋力トレーニングを増やすなど“過去イチ”にフィジカルと接点強化に取り組み、Bリーグを全勝で入替戦に臨んできました。
前半は5対0と龍谷大学がリードして折り返しますが、後半は摂南大学も意地を見せ逆転に成功。
龍谷大学も食い下がり、どちらが勝利してもおかしくない競った展開は19対17で摂南大学が逃げ切りAリーグ残留を決めました。
立命館大学対大阪体育大学。
今年は春のトーナメントを優勝するも、秋のリーグ戦は最終節に惜しくも敗れ入替戦に回ることになった立命館大学、
かつては“ヘラクレス軍団”と呼ばれ大学選手権ベスト4の実績もある大阪体育大学。
大阪体育大学も5年連続の入替戦で、特に去年は関西大学を相手に最終盤までリードするも、後半ロスタイムにトライとコンバージョンで7点を許し逆転負け。
その悔しさを知る選手も多く残る中、今年は入替戦で勝つだけではなく、Aリーグ5位相当の実力を付けることを目標に「レベル5」の合言葉で取り組んできました。
どちらも持ち味を十二分に発揮した戦いだったと思いますが、57対21で立命館大学が勝利しこちらもAリーグ残留を決めました。
青山学院大学対明治学院大学。
去年は創部100周年の記念すべき年に30年ぶりに大学選手権に出場するなど結果を残した青山学院大学は、今年は感染症の影響で試合直前に急遽10人ほどメンバー変更を余儀なくされた試合があるなど開幕から波に乗り切れず、ズルズルと修正できずに苦しい戦いを強いられ2年ぶりに入替戦に回ることに。
一方の明治学院大学はコロナ禍で開催が無かった2020年を除き、7開催連続での入替戦出場。
今年は第5節の武蔵大学戦に敗れ、一時は入替戦出場も危ぶまれましたが、4年生を中心にラグビーの優先順位を高く取り組んできた結果、最終節の成蹊大学戦に対抗戦Bグループでは初勝利を挙げて入替戦出場の権利を掴むなど勢いを持って臨みました。
前半は比較的接戦で推移しましたが、後半にかけて青山学院大学のトライラッシュもあり、61対19で青山学院大学がAグループ残留を決めました。
ラグビーは番狂わせが少ないスポーツと言われます。
過去の入替戦の結果を振り返っても大差で決着がついた試合も多く、そういう意味ではAとB、1部と2部の差は大きいのかなと想像していたところもありました。
となれば、下部リーグのチームが勝つためには1年間相当の鍛錬が必要なんだろうと思いを巡らせたりもしたわけです。
龍谷大学は松本力哉HCが去年の入替戦での敗戦を「フィジカルの差で力負けしていた、技術ではどうにもならない部分が足りなかった」と振り返り、それがために今年は1年間かけてフィジカルと接点強化に取り組んできました。
これは大阪体育大学について調べている時に見た記事の引用ですが、Bリーグは各校の実力差が大きいらしく、大味な試合が多いそうです。
実際、今年の戦いを見ても100点差での勝利という試合もありました。
そのため競り合いをあまり想定しておらず、着実に2点、3点を積み重ねるキックへの意識がおろそかになっていたそうです。
去年1点差で敗れた試合も、仮にコンバージョンキックの1本が決まっていれば逃げ切れた可能性もあるわけで、そのキックを外したSO小野田武流選手は今年、キックの練習時間を十分に確保するなどキックへの意識を変えて取り組んできました。
それだけの思いで取り組んでも昇格が叶わないというのは、勝負の厳しさを痛感するとともに、常に上位でプレーするチームへのリスペクトにもつながるなと思いました。
一発勝負の入替戦という、非常に残酷で、全ての思いが詰まった現場に巡り合うことができたのは貴重な経験でしたし、トーナメントや総当たりのリーグ戦とはまた違った学生スポーツの醍醐味のようなものも感じることができました。
こういった思いを言葉に乗せて伝えることができるように、これからも精進していこうと思います。
あと、龍谷大学出身者としては、負けはしましたが龍谷大学の試合を喋ることができたのは嬉しかったです。
めちゃくちゃ惜しい試合でしたし、点差だけを見ても過去数年と比較してもAリーグとの差は詰まっているんじゃないかと感じさせるような試合でした。
いつか龍谷大学がAリーグに昇格する時の試合も喋ることができれば嬉しいな、なんて思います。


