今シーズン、縁あって福井ブローウィンズのホームゲーム、
レギュラーシーズン最後の3節5試合を担当させていただきました。
長年、遊軍、という名の根無し草人生を歩んできた私にとって
今シーズンは年間まんべんなく福島、そして終盤どどどと福井、時々三遠、一度Wリーグ愛知県西尾市…
などなど津々浦々、旅から旅のシーズンでしたがその中で自分の中では一回一回、
そこに根を張っていこうという意識をもってやっていったつもりでした。
自分の「担当」チームがあることをずっとうらやましく思っておりましたが、
今この瞬間俺がしゃべっている瞬間は俺が「担」だ、という意識を
いつか魂の底から持てる強さを持ちたいと思います。
また、今シーズンは短期間であちこちふらふらしたため、福井で福井対福島をやったと思えば
郡山で福島対福井をやったり、「お前はどっち側でどこの人間なんだ?!」と感じる視聴者の方も
中にはいらっしゃったかもしれませんが、正体は永世中立のフリーでした、どうぞお見知りおきを。
今シーズン、B2では2029年からのBプレミア参入に向けてクリアすべき必須項目、
今シーズンのホーム平均入場者4000人・総入場者12万人、
ここを目指していく、勝敗以外にもう一つの戦いがありました。
宝来屋ボンズアリーナで、セイレンドリームアリーナで、5000人に迫ろうというアリーナの、
屋根も吹き飛ばんばかりの興奮と情熱の坩堝を何度も体感してきました。
これほどの熱が日本のいたるところにあるぞ、日本のどこからでも現れるぞ、
という目撃者として、証言代わりに実況を置いてきたつもりです。
さて、人生二度目ましての福井の旅でした。

車窓から眺める雄大なる立山連峰。
北陸新幹線は人生初。東京から福井まで約3時間。近くて近い街になりました。
前回訪問時はたしか2018年、北陸新幹線はまだ福井まで届いておらず、改札は自動ではなく検札の駅員さんが立っていました。

これは2018年撮影。彼は今も福井駅のどこかにいるのだろうか。
恐竜都市のお出迎えはネクストレベル。


福井城址、ここに県庁・市役所・警察・水道局・裁判所などが集う、福井の霞ヶ関的パワースポット。

足羽川の桜並木、ランタンは荒天により順延…次の約束ができました。


ヨーロッパ軒、ソースかつ、新アリーナ建設予定地の下見を兼ねて豊島分店。


雨にも負けず、1月の豪雪にも負けず、多くのファンを飲み込み続けて12万人達成。

そして、4月26日はレギュラーシーズン・ホーム最終戦、
今シーズン限りで現役引退を発表したライアン・ケリーの引退セレモニーが行われました。
引退セレモニー:コート上でのスピーチ
ライアン・ケリー 選手
「バスケットボールは私を世界中のあらゆる場所へ連れて行ってくれました。
そのすべての場所が私にとって特別なものですが、ここ『福井』という地は、
私の心の中にこれから先もずっと残り続けるだろうと思っています。」
「特に、妻のリンジーに対して深い感謝を述べたい。
長いシーズン、何度も引っ越しがあり、浮き沈みが激しい時でも彼女は私を信じてついてきてくれました。
彼女がいなければ、私のこの旅はここまで辿り着くことはできなかった。」
「皆様の注いでくれるエナジー、情熱というのは、皆様が思っている以上に私たちプレイヤーの大きな支えになっています。
これは私にとって最後のホームゲームかもしれませんが、私たちのシーズンはまだ終わっていません。
私の友人であるコービー・ブライアントがかつて言ったように、『仕事はまだ終わっていない(Job’s not finished)』のです。来週も一緒に戦いましょう!」
マテオ・ルビオ ヘッドコーチ
「ライアン、君に何を言えばいいだろう。これは私の心からの言葉だ。
日本の選手もファンも、君のプレー、君の姿勢に多大な影響を受けました。
それこそが、日本のバスケットボールがこれほど発展してきた理由の一つです。
君をコーチできたことは私の誇りです。Thank you, Ryan.」
ペリー・エリス 選手
「君はプロとして様々な高いレベルでプレーしてきた。
その経験やスキルを惜しみなく共有してくれてありがとう。
君は最高の選手である以上に、コートを一歩出れば本当に素晴らしい人間だ。
ライアン、君と一緒にプレーできて本当に光栄だったよ。次の章を楽しんでくれ!」
ラポラス・アイヴァナーカス 選手
「福井で契約したとき、『あのライアン・ケリーと一緒にプレーできるのか!』と驚いたよ。
君の性格は、このチームにとって太陽のような『光』だった。
まさか本当の兄弟(Brotherhood)のような関係になれるとは思っていなかった。
きっと、ゴルフが君の次のキャリアになるんだろうな!(笑)」
記者会見
ライアン・ケリー 選手
――引退を決めた一番の理由について
「家族にとってどういう形が一番良いのか、時間をかけて話し合いました。
自分がまだ戦えるレベルにあり、高いパフォーマンスを維持している状態で、ユニフォームを脱ぎたいと考えたのが大きな理由です。
外国籍選手として、いわゆる『使い回し』のような扱いでキャリアを終えたくはありませんでした。
ベストな状態で身を引くことが、私と家族にとって最善の選択だと信じています。」
――福井という地について
「8年前に来日した時、私はこの国でのバスケットボールの発展の一翼を担いたいと願っていました。
今や、この国はバスケを『愛している』。
ここ福井を私の『ホーム』だと感じさせてくれたことに、心から感謝しています。」
――プレーオフへの手応え
「今シーズンの我々のチームは、最初の頃と比べても状態は本当に良くなっています。
信州さんは素晴らしいチームですが、我々が良い状況であれば、どんなチームに対しても戦えるという自信があります。」
マテオ・ルビオ ヘッドコーチ
――ライアン・ケリーという存在について
「ライアンは、選手としても人間としても『めちゃくちゃパーフェクト』な存在です。
彼が皆に見せてくれたのは、『毎日一生懸命努力を続ければ、必ず成功を手にする権利が得られる』という真理です。
彼がこの福井でキャリアを終える決断をしたことは、街にとって計り知れない価値があります。」
それでは最後に。
今シーズン、福井ブローウィンズと福井の街が取り結んできた絆の証として、
トビン・マーカス海舟選手の25日会見の言葉で本校を締めくくりたいと思います。
「福井のファンは、ホントに、マジですごいです!
ホントにすごい。アウェイの試合でも、みんなの応援があったら、もうホームゲームみたいな気持ちになれます。
だからこそ、今日みたいな試合……こういう負け方を見せてしまうのは、ホントに申し訳ないというか……。
ブースターの皆さんがこれだけ頑張って、一生懸命応援してくれてるのに、僕たちがそれに応えられないのはダメだと思ってます。
明日は皆さんと一緒に、福井のために、ライアンのために、絶対に勝ちたいです。
僕たち選手も、コーチも、みんなホントに感謝の気持ちを持ってプレーしてます。」
(ファンに手を振り続け、最後までコートに残る理由)
「僕はバスケットを楽しみたいし、勝ちたい。
でも、たとえ優勝しても、MVPを獲っても、死ぬ時に天国へそれを持っていくことはできません。
天国へ持っていけるのは、他の人との繋がり、一人ひとりの笑顔だと思ってます。
日本には、悲しいことやつらいことがあって、下を向いている人もいるかもしれない。
でも、僕が手を振って、その人が少しでも笑顔になってくれたら、僕は自分のことのように嬉しいんです。
もし一人の子供が僕を見て笑顔になってくれたら、『よし、今日一日の仕事をやったぞ!』っていう気持ちになれます。
いい選手になること、すごい選手になることも大事だけど、
ファンやチームメイト、相手チームのファンとも繋がれなかったら、自分の存在に意味がない。
僕は『みんな一緒に行こうよ』という気持ちを伝えたいから、毎試合手を振っています。」