NHK BS1にて、1995年5月3日のオリックスブルーウェーブvs福岡ダイエーホークスの試合が放送されていました。
この年の1月、阪神淡路大震災が起こりました。オリックスは「がんばろう神戸」を合言葉に、ユニフォームの右袖には「がんばろうKOBE」ワッペンをつけ、被災地の復興のシンボルとして優勝を目指しました。
この日はゴールデンウィークとはいえ、震災からわずか3ヶ月半しか経っていないなか、グリーンスタジアム神戸は超満員のお客様でした。
試合は2-1でオリックスリードの7回、ダイエー2年目の小久保(この年HR王)のソロで同点。延長戦となり、11回に田口のサヨナラタイムリーでオリックスが勝利というゲームでした。この年リーグ優勝し、翌年には日本一となります。
福岡で育った私は、選手たちを懐かしく思い出しながらも、試合を見ていて現在との違いで気づいたことがありました。
一つは、球場の広告が非常に少ないことです。現在は球場内の至るところに広告があり、カメラも中継でたくさん広告を映し出します。当時は今ほど球場内の広告はなく、随分すっきりした印象を持ちます。
もう一点は、バッターが防具をつけていないことです。死球、自打球によるケガの防止のためのエルボーガードやレガースを付けている選手はいません。現在だと、チームによっては決まり事として着用が義務付けられていますが、当時にはまだ存在していなかったのは面白かったです。
当時のゲームは非常にテンポが速く、打者一人一人にかかっている時間も短かったように思えます。球場内にBGMが流れることはありますが、バッターごとの登場曲はありません。また、試合終了後に素早くヒーローインタビューが始まるのも、今では考えられないと感じました。
この日の解説は、前年まで西武の監督の森祇晶氏。ピッチャーは「とにかく低め」「アウトロー」に投げるのが基本とされ、高めのボール=失投といったイメージがあります。野球観も時代と共に移ろいゆくものだと思いました。
少し意外だったのは、イチローが打席の中で何度か唾を吐いているシーンがあったことです。もしかしたら若い時だけの所作だったかもしれませんが、あまりイチローが唾を吐いている印象がなかったので、この点でも昔の試合中継を見てみるのは面白いです。
今シーズンは、6月19日の開幕が発表されました。まだまだ予断を許さない状況ですが、早く野球が安全に楽しめることが待ち遠しいです!