全世界のMLBファンの皆様、はじめまして、田村純と申します。
日本時間2022年4月13日、サンフランシスコ・ジャイアンツ対サンディエゴ・パドレス戦にて
J SPORTSメジャーリーグ中継デビューいたしました。
思い起こせば2016年、Sports Zoneの門を叩き、そこから始まったMLBスコアラー生活も7年目の春。
実況デビューまでに6年間、スコア描き殴り人生に費やしたことになる。
これほどの時と労力と忍従が必要であると2016年の自分に教えてやることができたなら、2016年の自分はさっさと”賢い道”へしれっと方向転換していたに違いない。
今、私に戻る道も帰る場所もどこにもなく、この荒野をただ進むのみである。
次の二歩目まで、同じ時間をかけはしない。
スコアラーの悲しい性か、実況していてもスコアを描いてしまう、汚すぎて判読不能。
そんな年月の重みもあり、このチャンスは絶対に失敗できないと3日間悶々とする。
やらなきゃいけない準備が膨大にあるように感じられるが作業が全くはかどらず、最後の24時間は睡眠を削りながら最低限ここまでというところでタイムリミット。
その資料は本番では使ったのは1%くらい。そういうものなのかもしれない。
喋り手の個人的思い入れとは関係なく、その日もいつも通り素晴らしい、J SPORTSメジャーリーグ中継。
開幕戦ノーヒットピッチングのダルビッシュがまさかのMLB自身最短1回2/3、9失点。
初回で6点ビハインドのパドレスがいきなり2回二盗(ボイトMLB初盗塁!)すると大量リードのジャイアンツが盗塁返し、さらにセーフティ、とどめに野手からホームラン2本。
暗黙の了解、不文律、そんなの関係ねえという試合。
それでいい、そうあるべき、そんな齊藤明雄さんの目から鱗の解説がワンサイドゲームを凡戦から、価値観を塗り替える新時代の曙光へと、高めて下さいました。
MLBは、いつだって驚きに満ちている。
9mの風、気温10度のなかソフトクリームぺろぺろ少女ありがとう。
三塁塁審に退場させられた一塁コーチありがとう。
その代わりに入ったアリサ・ナッケンMLB史上初女性一塁コーチおめでとう。
ありがとうダルビッシュ。
私を起用してくださった関係各位ありがとうございます。
この日も支えて下さった制作・技術の皆様ありがとうございます。
これまで共にものを作る仲間に加えて下さった皆様ありがとうございます。
我が代表ありがとうございます。
これまでのすべてにありがとう。
これで二度目がなかったら恥ずかしいだろ。