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【レビュー】2006年WBC 日本vsアメリカ(永川)

J SPORTSでは、昨日まで2006年の第1回WBCの日本の全試合が放送されていました。
数々のドラマがあった大会ですが、今回はアメリカ戦を振り返ろうと思います。
(以下、選手名は敬称略)


大会前の多くの予想に反して、第1ラウンドは共に2位通過の両国。
試合はアメリカが4x-3のサヨナラ勝ち。
http://npb.jp/wbc/2006/score_jpn4.html
JPN 120 000 000=3
USA 010 002 001=4x

様々な出来事があった試合ですが、今回は普段はあまり取り上げられない話題に触れてみます。
改めて振り返ると、アメリカの野球を感じる機会になります。

今もそうですが、MLBでは特にワールドシリーズなどのビッグゲームで、試合中に選手や監督にインタビューが行われます。
この試合では4回終了後、アメリカ代表のマルティネス監督にインタビューがされました。
当時マルティネス監督は現地中継局(ESPN)の解説者。
どんなにピリピリしていても、ここはまさに視聴者ファースト。
答えないわけにはいきません。

王監督へは事前インタビューが放送中に紹介されるのみですが、マルティネス監督には試合中でも容赦ありません。
日本ではオールスター等で試合中のインタビューは見られますが、仮に日本シリーズで試合中に監督インタビューをするのはどうでしょうか。
私は見てみたい気もします。

また、アメリカの一塁ベースコーチはケン・グリフィー(父)で、後に殿堂入りするジュニアと親子でのWBC出場となりました。
ここで注目すべきは、試合中のベンチにジュニアの息子がいることです。つまり、祖父(コーチ)・父(選手)・息子の3代でベンチ入りしたわけですが、これも日本では考えられないでしょう。

試合は同点の7回と9回に、アメリカはいずれも犠打を決めています。
7回はデレク・ジーターが送りバント。
ケン・グリフィーjrとアレックス・ロドリゲスは凡退しますが、9回の犠打はサヨナラ打につながります。
メジャーではバントはしないというのではなく、必要に応じてバントも用いられることが分かります。
現在はデータが増え、シンプルな犠打は減ってきていますが、勝つために必要な作戦が常に求められることには変わりません。

イチローの先頭打者HR、チッパー・ジョーンズとデレク・リーのHR、世紀の大誤審にA・ロッドのサヨナラヒットなど、いろいろありましたが、今回は視点を変えて書いてみました。
侍ジャパンという呼称もなかった2006年、計3敗しながらも初代世界一になり、王監督がサンディエゴで胴上げされました。
このとき日本から参加したメジャーリーガーは、イチロー、大塚の2選手でしたが、この大会からは後に松坂・上原・薮田・和田・藤川・岩村・西岡・川崎・福留・青木と、10名のメジャーリーガーが誕生しました。

当時の私は高校を卒業したばかりで、決勝のキューバ戦が大学の合格発表の日でした。
結果は不合格…(そして1年浪人しました)。
王ジャパンの世界一の喜びと、大学不合格の悲しみを同時に味わいましたが、今では良い思い出です。笑

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永川亮太アナウンサー