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【レビュー】08/09マイクロソフトカップ決勝 三洋電機vs東芝(長澤)

2年連続同じ顔合わせとなった三洋電機(現パナソニック)と東芝の決勝戦。
レギュラーシーズンでは62-13という大差で東芝が勝利とのことでしたが、三洋電機は元日本代表のホラニ龍コリニアシ、現日本代表アシスタントコーチのトニー・ブラウンらが復帰しベストに近い布陣。東芝は故・渡邉泰憲、現役の大野均、新旧キャプテンの富岡鉄平、廣瀬俊朗ら多くの日本代表を擁した黄金期メンバー。しかしこのシーズンは所属する外国人選手の相次ぐ不祥事により、瀬川智広監督が謹慎処分となり、この後の日本選手権は辞退するという、極めて厳しい状況の中での戦いでした。

試合は序盤からブレイクダウンでの攻防が凄まじくターンオーバーの応酬となります。三洋電機はディフェンスラインのプレッシャーが早く、またFW陣のみならず田中史朗とトニー・ブラウンの両ハーフバックも接点で積極的にボールに絡みに行きます。この積極性が功を奏し、前半だけで12個のターンオーバーを奪いました。風下の影響があってトライこそ奪えませんでしたが、FGで着実に得点を積み重ねます。一方の東芝も三洋電機の圧力に一歩も引かず真っ向勝負の構え。キックも有効に使って前半の多くを敵陣でプレーします。陣取り合戦で優位に立つと前半2本のトライを奪取。12-6で折り返しました。

後半も前半以上に、1つ1つのブレイクダウンで全力のファイトが繰り広げられます。若き堀江翔太も途中ピッチに入り、両チーム一進一退の攻防が続く中で、ピカ一の輝きを見せたのは東芝キャプテン#14廣瀬俊朗でした。ボールを持てば必ずビッグゲインを見せ、試合途中にはスタンドオフの位置に入りゲームをコントロールするなど、ウィングというポジションながら試合を通して非常に大きな存在感を放っていました。両チーム後半無得点で迎えた81分、インゴールでの三洋のミスを突いて廣瀬がこの日2つ目のトライ。これがダメ押しのトライとなり、17-6で東芝が2年ぶりの優勝を手にしました。

優勝監督インタビューで和田賢一監督代行が放った第一声はしかし、一連の不祥事に対する謝罪の言葉でした。歓喜で沸き返るはずのインタビューで最初にこの言葉が出たあたりに、この時の東芝が置かれていた状況が痛々しいほどに感じられました。試合後のセレモニーや写真撮影でも選手の笑顔にはどこか影が差しているようで、見ているこちらが苦しくなるほど。しかしそんな状況の中でも最高のプレーを見せてくれた東芝の選手と、名勝負を演じてくれた三洋電機の選手に心からの尊敬と感謝の念を覚えます。プレーはもちろん精神的にも本当に強い東芝でした。ちなみに私の高校時代のラグビー部の顧問も、元・東芝府中選手の武石健哉さんでした。この誇り高いブレイブルーパスの一員であった方の指導を受けられたことは、私自身にとってもこの上ない誇りです。

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長澤洋明アナウンサー