※観戦記第1弾はこちら
フィリピンにおいてバスケットボールはどんな存在か?
目にした範囲で記します。
リトアニア代表の試合のない日は、フィリピン代表を含むグループA・グループB等の試合が行われた、ケソン市にあるアラネタコロシアムに行きました。
今日は場所を変えてアラネタコロシアムに来ています。まずは中国-南スーダン。両チームの応援がアツいです。
隣の席の現地在住の中国人のお兄さんが昨日は「日本がやったなー!30番のシュートはいいな!」と言ってくれました。 #FIBAWC pic.twitter.com/tLSMI5HPli— 松本圭祐 (@keisukematsu720) August 28, 2023
アラネタコロシアムは1975年にモハメド・アリ対ジョー・フレイジャー第三戦、通称スリラー・イン・マニラという有名な試合が行われた場所です。
隣にあるショッピングモールはモハメド・アリにちなんでアリ・モールと名付けられています。
残念ながら名前以外になにか銅像やモニュメントといったモハメド・アリを感じられるものはモール内にはないそうです。
1978年にバスケットボールの世界選手権がフィリピンで開催された際にも試合会場の一つになっています。
フィリピン代表人気。
バスケットボールフィリピン代表の愛称はジラス・フィリピナス(Gilasはタガログ語でプライド、エナジー等の意味だそうです)。
日本での野球やサッカーの代表人気と同じかそれ以上だと感じました。
宿泊したレジデンスのガードマン、タクシーの運転手、ドラッグストアの店員、みんなが代表選手のことを知っていて、「カイ・ソット(広島ドラゴンフライズ)をもっと使うべきだ!」とかHCの選手起用に文句を言っていました。
地元開催にもかかわらずジラスはわずか勝ち星を1つしか挙げられず、チョット・レイエスHCは国民の大バッシングにさらされ、ワールドカップ後に任を終えることとなりました。
試合日の前後は、フィリピンのX(旧Twitter)のトレンドワードは“Chot”でした。
彼に対して起きたバッシングはかわいそうではありましたが、ネガティブなことさえ、日本ではバスケットボールについてはあまり起きないことなので、変な言い方ですが、羨ましいと思いました。
試合会場でのジラスに向けられる熱狂はすさまじいものがありました。
騒がれ方としては「キャー!!」アスリートというよりは、アイドルのコンサート会場にいるのかと錯覚するほどでした。
NBAのスター選手ですらアメリカでここまで騒がれないような歓声で本当にカルチャーショックでした。
今日すごく驚いたのはフィリピン代表の地元での人気。すごいとは聞いていたもののこれほどまでとは。声援がアスリートに向けられるものとは全く別種。大谷翔平さんに向けられるような声援ではなくて、T.M.Revolutionの西川貴教さんに向けられるような声援。ユーロリーグに行ったときも驚きましたが、 pic.twitter.com/ZDPRcPxSEa
— 松本圭祐 (@keisukematsu720) August 31, 2023
会場の中では、特にジョーダン・クラークソン(ユタジャズ)、ドワイト・ラモス(レバンガ北海道)、レンツ・アバンド(安養中堅レッドブースター)に対する歓声は今まで聞いたことがないものでした。
日本でプレーしているフィリピン代表選手たちが、母国でこの扱いを受けている人であることに衝撃を受けました。
さらに試合翌日、コンビニで売っていた地元の英字新聞「ザフィリピンスター紙」の裏一面はジラスの敗戦について。
フィリピン敗戦の翌日のザフィリピンスター紙。"パリの夢、さようなら。"
勝った時に大きく取り扱われるのは当たり前で、負けた時にこそ大きく取り扱われるならそれは文化である。と以前@kaznagatsuka さんが言っていたことを思い出します。 pic.twitter.com/XbpDhej7ST— 松本圭祐 (@keisukematsu720) September 1, 2023
日本では、バスケットボールが勝ってフィーバーになることはあるでしょうが、負けて大きく取り扱われることはあまりないでしょう。
これもネガティブなことですが、羨ましかったです。
そして当たり前のようにバスケットボール選手が広告に起用されます。
フィリピンではワールドカップの開催もあってか、普通に企業のPRにバスケットボール選手が起用されます。日本のCMにバスケットボール選手が出演したらその商品、もっと売れるのに❗️ pic.twitter.com/DWjUELqGZH
— 松本圭祐 (@keisukematsu720) September 8, 2023
NIKEショップの正面はバスケのフィリピン代表。代表チームのジャージは人気で大会開幕前に売り切れてしまったそうです。
タクシーの運転士のおじさんやレジデンスのガードマンもバスケに詳しくて、カイ・ソットの起用法に関してHCに不満を語れるぐらいバスケが当たり前の国です。#GilasPilipinas pic.twitter.com/41dCmGdYbr
— 松本圭祐 (@keisukematsu720) August 30, 2023
こちらは中央にドワイト・ラモス。瞳からパッションを感じます。残念ながら順位決定戦に回ることになったのですが、明日はアラネタコロシアムにGilas Pilipinasのゲームを見に行こうと思います。@dram0s_ #ガンバレドワイト #LevangaHokkaido #レバンガ北海道 pic.twitter.com/ibqhHRc93d
— 松本圭祐 (@keisukematsu720) August 30, 2023
海外ではお馴染みのスポーツ飲料ゲータレードのCMももちろんジラス。
ただ、今回がワールドカップだから特別というわけではなく、ジラスの前はLAテノリオというバスケットボール選手が出演していたそうです。
日本でももっとたくさんバスケットボール選手が広告に起用されるとその商品が売れるのになと思います。
とは言え、フィリピンの皆さん、アメリカ文化の影響か、基本的にはNBAが好きです。
とあるスポーツショップの店員にフィリピン人に人気のあるバスケットボール選手を聞いたところ、ジョーダン・クラークソンとカイ・ソットの名前を挙げていました。
クラークソンはNBA選手だから、ソットはNBAプロスペクトだからとのことでした。
庶民的なマーケットにも足を運びました。
僕の数少ない海外経験では、多くの国でこういったマーケットで売っているのはサッカーのジャージ。
しかし、マニラではレアルマドリード(サッカーの方)やFCバルセロナ(サッカーの方)のジャージを売っているお店は少なく、LAレイカーズのジャージを売っているお店は簡単に見つかります。
ここではバスケットボールが人気ナンバーワンです。
ただ、フィリピンリーグ(PBA)やジラスのものは相当探さないと見つかりませんでした。
ということでざっと僕が見た範囲でのフィリピン、マニラでのバスケットボールの人気を記しました。
日本と比べればその差は一目瞭然。
日本でも、このくらい日常にバスケットボールが浸透していると、もっと暮らしやすくなるのになあ。
今度はぜひPBAのレギュラーシーズンの試合を見に来たいです。