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観戦記第2弾(松本)

※観戦記第1弾はこちら

フィリピンにおいてバスケットボールはどんな存在か?
目にした範囲で記します。

リトアニア代表の試合のない日は、フィリピン代表を含むグループA・グループB等の試合が行われた、ケソン市にあるアラネタコロシアムに行きました。

アラネタコロシアムは1975年にモハメド・アリ対ジョー・フレイジャー第三戦、通称スリラー・イン・マニラという有名な試合が行われた場所です。
隣にあるショッピングモールはモハメド・アリにちなんでアリ・モールと名付けられています。
残念ながら名前以外になにか銅像やモニュメントといったモハメド・アリを感じられるものはモール内にはないそうです。
1978年にバスケットボールの世界選手権がフィリピンで開催された際にも試合会場の一つになっています。

フィリピン代表人気。
バスケットボールフィリピン代表の愛称はジラス・フィリピナス(Gilasはタガログ語でプライド、エナジー等の意味だそうです)。
日本での野球やサッカーの代表人気と同じかそれ以上だと感じました。

宿泊したレジデンスのガードマン、タクシーの運転手、ドラッグストアの店員、みんなが代表選手のことを知っていて、「カイ・ソット(広島ドラゴンフライズ)をもっと使うべきだ!」とかHCの選手起用に文句を言っていました。

地元開催にもかかわらずジラスはわずか勝ち星を1つしか挙げられず、チョット・レイエスHCは国民の大バッシングにさらされ、ワールドカップ後に任を終えることとなりました。
試合日の前後は、フィリピンのX(旧Twitter)のトレンドワードは“Chot”でした。
彼に対して起きたバッシングはかわいそうではありましたが、ネガティブなことさえ、日本ではバスケットボールについてはあまり起きないことなので、変な言い方ですが、羨ましいと思いました。

試合会場でのジラスに向けられる熱狂はすさまじいものがありました。
騒がれ方としては「キャー!!」アスリートというよりは、アイドルのコンサート会場にいるのかと錯覚するほどでした。
NBAのスター選手ですらアメリカでここまで騒がれないような歓声で本当にカルチャーショックでした。

会場の中では、特にジョーダン・クラークソン(ユタジャズ)、ドワイト・ラモス(レバンガ北海道)、レンツ・アバンド(安養中堅レッドブースター)に対する歓声は今まで聞いたことがないものでした。
日本でプレーしているフィリピン代表選手たちが、母国でこの扱いを受けている人であることに衝撃を受けました。

さらに試合翌日、コンビニで売っていた地元の英字新聞「ザフィリピンスター紙」の裏一面はジラスの敗戦について。

日本では、バスケットボールが勝ってフィーバーになることはあるでしょうが、負けて大きく取り扱われることはあまりないでしょう。
これもネガティブなことですが、羨ましかったです。

そして当たり前のようにバスケットボール選手が広告に起用されます。

海外ではお馴染みのスポーツ飲料ゲータレードのCMももちろんジラス。
ただ、今回がワールドカップだから特別というわけではなく、ジラスの前はLAテノリオというバスケットボール選手が出演していたそうです。
日本でももっとたくさんバスケットボール選手が広告に起用されるとその商品が売れるのになと思います。

とは言え、フィリピンの皆さん、アメリカ文化の影響か、基本的にはNBAが好きです。
とあるスポーツショップの店員にフィリピン人に人気のあるバスケットボール選手を聞いたところ、ジョーダン・クラークソンとカイ・ソットの名前を挙げていました。
クラークソンはNBA選手だから、ソットはNBAプロスペクトだからとのことでした。

庶民的なマーケットにも足を運びました。
僕の数少ない海外経験では、多くの国でこういったマーケットで売っているのはサッカーのジャージ。
しかし、マニラではレアルマドリード(サッカーの方)やFCバルセロナ(サッカーの方)のジャージを売っているお店は少なく、LAレイカーズのジャージを売っているお店は簡単に見つかります。
ここではバスケットボールが人気ナンバーワンです。
ただ、フィリピンリーグ(PBA)やジラスのものは相当探さないと見つかりませんでした。

ということでざっと僕が見た範囲でのフィリピン、マニラでのバスケットボールの人気を記しました。
日本と比べればその差は一目瞭然。
日本でも、このくらい日常にバスケットボールが浸透していると、もっと暮らしやすくなるのになあ。
今度はぜひPBAのレギュラーシーズンの試合を見に来たいです。

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松本圭祐アナウンサー